英国はどうなってしまったのか。2016年の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を決めてからというもの、英国の外交はほとんど崩壊してしまっている。

米国の指導力は低下し、ロシアは軍事的な野心を強め、中国の影響力が拡大している。各国の対立は深まり、世界は一段と危険な場所になりつつある。国際秩序の安定に一役買うという意味で、今ほど英国が存在感を発揮できるタイミングもない。だが、英国はそうした役割から降りてしまった。英国政府は複雑にこんがらがったブレグジットの超難問に対処するのに頭がいっぱいで、国外で起きていることが見えなくなってしまっているのだ。

EU離脱派が言っていたこととまるで話が違うではないか。ブレグジットをめぐる国民投票に際し、離脱派はこう主張していた。EUのくびきから解き放たれた「グローバルブリテン」となれば、英国の地位はさらに高まる、と。多くの国民がこれを信じた。だが、現実はどうだったか。カナダや豪州などから成る英連邦(コモンウェルス)を率いて“すばらしい新世界”を作り上げるという離脱派の野心は、滑稽な妄想であったことが露呈してしまっている。