外資メーカーでトップ営業だった滝野CEO。自社の技術力を誇る(撮影:田所千代美)

産業用ロボットはエンジニアが座標を1点ずつプログラミングして動作ルートを生成する「ティーチング」に何カ月もかけなければならない。基本的に、教えられたルートしか動くことができない。ロボット単体では何もできない──そんな常識をぶち壊すのがMUJINだ。

ロボットの「脳みそ」に当たる部分にMUJINのコントローラーをつなげば、すべての動作を教えずとも、たとえばつかみ方を指示するだけで、ランダムに積まれた荷物をさまざまなルートでピッキングしていく。

MUJINコントローラーは、ロボット用のOS(基本ソフト)に当たる。形状は一般的なDVDデッキに近い。基幹技術はCTO(最高技術責任者)のデアンコウ・ロセン氏が開発したAI(人工知能)だ。最大の特長は「モーションプランニング」(MP)という技術で、最適なルートを自動かつ高速で導き出す。

滝野一征CEO(最高経営責任者、34)は、「深層学習は不確かな『ブラックボックス』だ。勝手にピッキングのルートをスタートからゴール(つかみ方)まで考えてくれる。だが、深層学習はあくまで何度も失敗を重ねたうえでの最適化だ」と語る。一方のMPは、深層学習とは正反対。ピッキングのゴール(つかみ方)の指示こそ必要なものの、それさえわかれば最適なルートを、アルゴリズム(論理演算式)を基に逆算して一発で導き出す。