国内インターネット産業の成長を支えてきた男が振り返る、七転八起の30年史。

すずき・こういち●インターネットイニシアティブ(IIJ)会長兼CEO。1992年に前身企業を創業、日本初の商用ネット接続サービスを立ち上げた。2013年6月から現職。(撮影:梅谷秀司)

米国でUUNET(ユーユーネット)(世界初の商業向けインターネットプロバイダ)が設立されたのが1987年。私は当時、独立してコンサルタントのような仕事をしていたから、米国に近いシンクタンクなどとの付き合いも多く、米国議会の情報が自然と耳に入ってきていた。

向こうの議会では、21世紀の覇権を握るためには通信技術のプラットフォームが必要だという認識があった。米国のインターネット商用化には、もともと軍事ベースで開発した技術の発展や普及を、国を挙げて政策的に支援しようという背景があった。私は、これは日本でも誰かがやらなければいけない重要な技術だと思ったが、誰もやろうとはしなかった。