つかさき・きみよし●東大法卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。調査関連業務に従事し、退職。著書に『老後破産しないためのお金の教科書』(小社刊)。(撮影:今井康一)

40代、50代のビジネスパーソンには、自らの定年後の日本経済は少子高齢化に伴う中長期的なインフレのリスクが大きいという点をよく理解してもらいたい。バブル経済が崩壊してから景気低迷の時代が続いたが、その間も少子化、団塊の世代の引退など人手不足の下地が着実に形成されてきた。アベノミクスによって、その一部が表面化した格好だ。

今後も短期的な景気の変動はあるだろうが、少子高齢化の流れは確実に進む。外国人労働者の受け入れでカバーしようとしても、アジア各国の成長が進むにつれ、それも難しくなるだろう。企業が労働力の奪い合いを始めて賃金が上がると現役世代は潤うが、定年後世代は賃金上昇に伴うインフレに悩まされることになる。健康が許すかぎり働き続けることが一つの対策だ。また南海トラフ地震など大災害や日本政府破産のうわさによる超円安などのリスクシナリオでもやはりインフレになる。