店内の喧噪を避け、テラス席を取った。巨大な木々からクジャクの鳴き声が聞こえてきた

正直拍子抜けした。ホテルの敷地内にゲストはまばらで、静謐さを保っている。

6月17日、シンガポールのセントーサ島にあるホテル、カペラを訪れた。5日前にここで米朝首脳会談が行われたばかりである。

宿泊料金は最低でも1泊6万円。敷地の入り口からして庶民には近寄りがたい雰囲気が漂っていた。緩やかにカーブする道を上りきった丘の上に、コロニアル調の2階建ての建物がある。

この建物は1880年代に建築され、戦前は英陸軍砲兵隊の迎賓館として使用されていた。これをベースに、カペラがオープンしたのは2009年のことだ。

小ぢんまりとしたロビーには、ホテルの宿泊客以外のやじ馬らしき人物は見当たらない。

ミーハーな同類はいないかとホテル内をぶらついていると、中国系の若い男性二人が握手をして、記念撮影をしている。ここがまさにトランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が固い握手を交わしたところだった。