たかい・ひろゆき●神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

世界は怒濤のうちに今年も折り返し地点に来た。そこで前半戦を概観してみたい。

まずはマーケットだが、目立つのは米国経済の絶好調ぶりである。直近のFOMC(連邦公開市場委員会)も少しタカ派的なトーンを残して無事に通過。パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の安定性も確認された。ドル金利も年初の2.4%から一時は3%を超えたが、長期債の堅調な需要に支えられ3%弱で推移している。米ドルも年初には90割れ(ドル指数、ニューヨーク商品取引所)があったが、その後は金利差から買われ、足元は95前後と堅調である。

強い米国の反面が新興国だ。中でもアルゼンチンの通貨は年初から28%下落、次いでトルコ、ブラジル。これらが年前半の3弱となった。ドル高に加え、高進するインフレと政治的な脆弱さが垣間見える。

国際商品はドル高の逆風にもかかわらず世界的な好景気からGSCI指数で見て年初から5%高となっている。主導したのは原油だ。産油国の協調減産と世界的な需要の伸び、ベネズエラなど想定外の減産で一時はブレント原油で1バレル当たり80ドルを超え大幅高となった。