週刊東洋経済 2018年6/30号
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普段、われわれの生活で意識して使う機会が少ない半導体と電池。産業の黒子ともいえるこの両製品が次世代テクノロジーの“顔”になりつつある。

半導体の需要を牽引するのはビッグデータだ。スマートフォンの普及によって、人々がインターネットに接続する時間は格段に増えた。今後は自動車などもネットにつながることで、さらにデータ量が増加すると見込まれている。

世界半導体市場統計によると、半導体業界の市場規模は2017年に伸びが加速しており、半導体関連株の動向を示すSOX指数もここ数年の上昇が顕著だ。

半導体製造装置メーカー世界4位・東京エレクトロンの河合利樹社長は「ITバブル時に比べ今は実需が伴っている。半導体産業は一段上の成長フェーズに入った」と語る。半導体は一定の周期で需要の山と谷が訪れる「シリコンサイクル」が一般的といわれてきた。しかし、16年にはサイクルが超長期化した「スーパーサイクル」に突入していると指摘する市場関係者も現れている(→関連記事へ)。

電池需要を引っ張るのは、EV(電気自動車)を含む自動車の電動化だ。各国の環境規制や産業育成の思惑を受けて、40年には新車販売のうち半分を電動車が占めると予測されている。

日本の電池メーカーではパナソニックが米テスラを顧客としてがっちりと捕まえており、17年12月からトヨタ自動車とも協業を検討している。ただ近年は中国の新星・寧徳時代新能源科技(CATL)が台頭しており、17年に出荷量でパナを追い抜いた。

CATLについては「同社製の電池を搭載したEVであれば、中国政府からの補助金をもらいやすい」(電池業界関係者)という実質的な国策の後押しもあり成長してきたが、今後は自力で欧州市場も開拓する(→関連記事へ)。21年に4兆円を超えるとされるリチウムイオン電池市場の主役の座を狙う。

製造装置や材料で日本勢が力を発揮

半導体にしろ電池にしろ、製造の過程で欠かせないのが大もとの材料だ。ここではとりわけ日本企業の存在感が大きい。

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