豊田通商が共同開発するオラロス塩湖。人工池で乾燥させてリチウムを生産する(提供:豊田通商)

リチウムイオン電池の生産量増加に伴い、電池原材料の安定確保が日本企業にとっても急務となっている。中でも正極材に使われるリチウム、ニッケル、コバルトの主要3原料は埋蔵量が豊富なものもあるが、地域的な偏在や品質の問題もあり、需要逼迫が予想されている。

資源の開発・輸入といえば商社の伝統的ビジネスだ。だが大手総合商社で表立った動きは、住友商事がマダガスカルで手掛けるニッケル開発プロジェクトくらい。しかもニッケルはステンレス鋼などの添加剤としての用途が多く、電池材料となるのは一部にすぎない。

そんな中、リチウムの確保で先鞭をつけたのがトヨタグループの商社である豊田通商だ。今年2月、豪資源開発会社のオロコブレに約260億円(会社公表時の為替レート)、15%の出資を完了した。取締役も一人派遣する。

2012年にオロコブレと設立したリチウム開発の合弁会社が、14年末からオラロス塩湖(アルゼンチン)でリチウムの生産を開始している。そこで生産されたリチウムは豊通が独占販売権を持つ。現在の生産能力は世界のリチウム需要の約1割に当たる年間1万7500トン。これを19年後半までに年間4万2500㌧と約2.4倍に引き上げる計画だ。