イラスト:今井ヨージ

車載用リチウムイオン電池の風雲児、寧徳時代新能源科技(以下CATL、中国福建省寧徳市)が6月11日、深圳証券取引所に上場した。

EV(電気自動車)で世界最大の市場となった中国は、購入者に対し補助金を支給するなど国策でEVの需要を作り出している。加えて中国政府は、2016年まで実質的に中国の電池メーカーのみを優遇する施策を行ってきた。その過程において「中国に100以上ある車載電池企業の中で、CATLは頭一つ抜けた存在」(中国の産業政策に詳しい長岡技術科学大学の李志東教授)となった。17年に同社は出荷量でパナソニックを抜いて世界首位に躍り出た。

三元系の角形リチウムイオン電池を主力とするCATL(提供:CATL)

株式市場での評価は高く、株価は6月20日時点で上場来6日連続のストップ高を記録し、時価総額は1300億元(約2.3兆円)に達した。「中国における今年のIPO(株式新規公開)ビッグ3が、CATL、鴻海(ホンハイ)精密工業子会社の富士康工業互聯網、創薬ベンチャーの薬明康徳だ。EV銘柄の中でもCATLの株価はパフォーマンスが高い」(中国株に詳しい藍澤証券の王曦主任)という。

「今後3年間で電池市場は急速に成長する。この機会をとらえて技術・生産・人材で世界をリードする」。IPOを控えた5月、CATL創業者の曾毓群(ロビン・ゼン)会長(50)はこう語った。上場で得た900億円強の資金は増産投資と研究開発に用いる。