たけなか・へいぞう●1951年生まれ。小泉政権で金融相、経済財政担当相などを歴任。東洋大学教授、慶応義塾大学名誉教授。2016年から政府の未来投資会議メンバー。

「政治家の統率力が重要、官僚の姿勢が一変する」

大臣を経験してわかったのは、霞が関の官僚組織はとても重要な政策リソースであるということだ。政策の実現には非常に細かな行政手続きの積み重ねが必要で、これを熟知していないと何も進まない。歴代の首相がどんな発言をしていたか、新たな法案はほかの法律とどう整合性を取るのかなど、そのノウハウは基本的に官僚組織に蓄積されている。

では、官僚に政策のすべてを任せていればうまくいくかといえば、そうではない。欠点がある。国民の信託を受けていないため、官僚は大きな意思決定ができないのだ。たとえば郵政民営化や道路公団民営化は、総務省や国土交通省からは絶対に出てこない。既存の政策の微修正にとどまり、大胆な変更ができなければ、時代の大きな流れに対応できなくなる。