さくらの・やすのり●1957年生まれ。81年熊谷組入社。2010年管理本部人事部長、11年執行役員、12年取締役企画室長、17年専務取締役などを経て、18年4月から現職。(撮影:尾形文繁)

現場経験ゼロも問題ない 技術者と経営者は異なる

社長就任を打診されたのは今年の2月中旬。その際、「事務系の自分に務まるだろうか」という不安はあった。だが取締役会で議論される内容は、技術ではなく経営に関する話。土木や建築、事務といった出身にこだわらない議論が重要だ。技術的な説明が必要なら、担当者が逐次説明をすれば問題ない。技術者と経営者は違うスキルが求められる。

人事や企画など、経営の中枢に近い部門を渡り歩いてきた。経営者の考えは、現場一筋でいるよりも理解しているつもりだ。若くして役員の職を拝命し、経営の議論に長く参加してきた自負もある。

昨年発足した中期経営計画の策定プロジェクトで、前社長から「未来の計画を考えろ」と指示が下った。担当者9人の中に土木担当、建築担当、私を含む3人の専務がいた。そのときは、ひょっとしたらこの3人から次の経営者が生まれるのか、と感じていた。

──入社直後から建設現場ではなく管理部門配属だったのですか。