(撮影:今井康一)

第2次安倍晋三政権の発足から、政権運営の屋台骨として存在感を示してきた経済産業省。エネルギー以外に強力な規制権限がない“持たざる”官庁として、規制改革の先導役を務めるなど「ビジネスモデルの転換に成功した」(自民党商工族)と評価されてきた。だが、政策のネタ切れや権限の限界、通商問題をめぐる政府内での孤立に直面し、他省庁の縄張りに“領空侵犯”せざるをえない経産省に、不要論が噴出する。

財政再建を後回しにしてでも、経済成長や生産性向上を優先する安倍政権にとって、最も重要なのが「成長戦略」。その立案に深く関与するのが今井尚哉首相秘書官を筆頭とする、内閣府の新原浩朗政策統括官、日本経済再生総合事務局の広瀬直事務局次長などの経産官僚だ。同事務局内の要職も経産省からの出向組が占めており、毎年成長戦略の策定が近づくと出向組を通じて本省各局に対して同戦略への「弾込め」指令が出る。最近は「経産省からの提案がどれも小粒化している」(内閣官房のある幹部)との声も聞かれるが、そんな実情はよそに勇ましい数字が躍り続ける。

「2020年をメドに地域限定の無人自動運転サービスを開始」、「日本人の健康寿命を20年までに1歳以上延ばす」、「20年までにデータを経営課題解決に結び付ける企業の割合を40%にする」──。