公選法改正案提出時の溝手顕正・元自民党参院議員会長(左から3人目、2015年7月)(時事)

通常国会は6月20日に会期末を迎える。だが、安倍晋三内閣が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案は、衆議院通過後、6月4日から参議院で審議が始まった。政府はカジノ設置を可能にする統合型リゾート(IR)実施法案の成立も目指しているが、会期内に両法案を仕上げるのは困難で、7月10日ごろまで約3週間、会期を延長する方針だ。

そこへもう一つ、参議院選挙区の2県合区対策などを盛り込んだ公職選挙法の改正の動きが、自民党で急浮上してきた。

2015年7月、「法の下の平等」を定める憲法14条に基づいて「一票の格差」を解消するため、改正公選法が成立した。鳥取県と島根県、徳島県と高知県を合区して2県で一人を選出する「合同選挙区」が導入され、16年の参院選から適用されたが、参議院に県代表を送る機会が半減した該当4県の自民党では不満が大きく、合区解消を求める声は今も根強い。

一方、憲法改正実現に強い意欲を示す安倍首相は、17年5月3日に改憲メッセージを発し、自衛隊の憲法9条明記、教育無償化、改正憲法の20年施行を唱えた。自民党は10月の総選挙で改憲4項目を公約に掲げる。自衛隊明記、教育無償化、緊急事態条項創設と併せて、参議院選挙区の2県合区解消を打ち出した。

15年の合区導入決定に深くかかわり、自ら「合区の張本人」と認める溝手顕正(けんせい)氏(元自民党参議院議員会長)は「苦渋の決断だった」と前置きして、17年総選挙の改憲公約に合区解消を盛り込んだ事情について、「憲法改正でやるしか方法はないと思い詰めて、党側が首相官邸に働きかけ、官邸もそれを承知した」と明かした。

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