社外取締役制度が導入されてから16年。現在では上場企業の97%に社外取締役がいる。だが、「一人でも社外がいればいい」という時代は終わり、「3分の1以上必要」という時代に突入しつつある。6月1日に東京証券取引所が、上場規程の一つである「コーポレートガバナンス・コード」の改訂版を施行。原則は最低2人のままだが、企業が必要と考える場合は3分の1以上を社外取締役にすべきとした。

議決権行使助言会社のグラスルイスは、社外取締役が3分の1未満の場合、経営トップの選任に反対することを助言。同じ助言会社のISSも、最低2人だった基準を来年2月から3分の1以上へと厳しくする。

「3分の1は最低線。過半数が世界標準だ。3分の1に満たないことを理由に、多くの日本企業の経営トップ選任に反対してきた」(グラスルイスの上野直子アジアリサーチ シニアディレクター)

日本で社外取締役が3分の1以上いる上場企業は2割弱。すべての上場企業で3分の1以上にするには、あと6880人必要だ(本誌試算)。つまり現状の8271人を1.8倍以上へ増やす必要がある。

社外取締役候補者などへのトレーニングを行うNPO(民間の非営利組織)、日本コーポーレート・ガバナンス・ネットワーク代表の牛島信弁護士は、「候補者はいくらでもいる」と語る。ただし、「企業側が固定観念的に持っている、CEO(最高経営責任者)経験者、突然辞任しそうにない、業界事情に精通している、といった枠を外せば」という条件付きだ。実際の選任には窮しそうだ。