有料会員限定

【首相官邸】霞が関を変質させた豪腕秘書官と内閣人事局 幅を利かす「官邸官僚」たち

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
拡大
縮小
第1次安倍内閣でも秘書官を務めた今井尚哉氏(左)(毎日新聞社 / アフロ)

特集「官僚の掟」の他の記事を読む

「僕は自分自身が二つの矛盾した役割を担っていると考えています。一つは、政治家の横暴から役人を守ること、もう一つは役人の怠慢から政治家を守ること」──。

去る4月23日、筆者が「官邸官僚の研究」(『文藝春秋』6月号)で行ったインタビューの最後、今井尚哉(59)は、そう締めくくった。2012年12月の第2次安倍晋三政権発足以来、首相の政務秘書官を務め、首相の分身どころか、今や“首相の化身”とまで呼ばれる首相官邸最高権力者の一人だ。

時に無理筋をゴリ押しする国会議員をいさめ、時に手抜きをしがちな官僚を監視する。首相のそばで政策実現に邁進する秘書官の心構えとして、そうあるべきなのは異論のないところだろう。

だが、永田町や霞が関における現実の政治が、今井の理想どおりになっているかといえば、そうではない。森友・加計問題に象徴されるような欺瞞や無理筋がまかり通り、行政機関の体を成していない事態が続出してきた。取材を通じて強く感じたのは、官邸と官僚機構の間の溝であり、軋轢だ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
官僚の掟
官僚の本音
現場は霞が関をどう見ている?
財務、経産、厚労…若手官僚座談会
Interview|朝比奈一郎/柴山和久
産業革新機構を軸に再編も
知られざる縦社会と横社会
膨らむ予算と低下する信頼
87歳の役員、いきなり社長…
旧運輸と旧建設の間に不文律
自治、郵政、総務の寄り合い
うつで退職、残業300時間…
外務省 vs. 警察庁
語学研修で出世コースが決まる
達人が明かす! 官僚の徹底活用術(2)
達人が明かす! 官僚の徹底活用術(1)
安倍政権で拡大する“領空侵犯"
「最強官庁」の劣化が止まらない
「首相と秘書官は一心同体だ」
幅を利かす「官邸官僚」たち
エリートの官僚離れ
年収1000万円超えは40代から
官僚の掟 忖度エリートのカネと出世
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内