なかたに・いわお●米ハーバード大学Ph.D.。一橋大学教授、ソニー社外取締役、多摩大学学長等を経る。現在は三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、「不識塾」塾長。(撮影:尾形文繁)

経済戦略会議の提言のいくつかは小泉純一郎政権の構造改革にも盛り込まれ、同会議メンバーの竹中平蔵さんが推進役を担っていく。一方、構造改革に疑問を抱きだした私は2000年代以降、時の政権とは距離を置くようになった。

特定の人を批判する気はない。しかし、揺るぎない真理を追究しているようで実は、同時代の政治的要請に追従するのが経済学者というものだ。

ケインズ経済学は1930年代に「自由主義だけではダメだ」という声が高まる中で誕生した。だが70年代後半に先進国で財政問題が深刻になってくると、「あまり大きな政府はまずい」と落ち目になり、小さな政府や規制撤廃を賛美する、合理的期待やサプライサイドの経済学が台頭した。