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近鉄百貨店の生き残り策 「キタ」のまねはしない

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「庶民派」百貨店として、独自路線を貫きながら勝ち残れるか。

「サンダルでも入れる百貨店」──。大阪南部や奈良を地盤とし、大阪・阿倍野区に本店を構える近鉄百貨店。「キタ」の阪急・阪神百貨店、「ミナミ」の高島屋や大丸など競合がひしめく中、地元客から「親しみのある店」として長年支持されてきた。

近鉄百貨店の旗艦店「あべのハルカス近鉄本店」は目下、売り上げ好調だ。2017年度売上高は前年度比16%増の1252億円と大きな伸びを示した。今期に入っても勢いが衰えず、5月の売上高は前年同月比18.4%増と、18カ月連続で前年を上回った。

あべのハルカス近鉄本店
日本一の超高層ビルに入居(右)。テコ入れで誘致した無印良品は超大型店で、来店客増加に大きく貢献(左上)。洋菓子「ガトーフェスタ ハラダ」は連日行列ができる(撮影:ヒラオカスタジオ)

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旧本店があった場所にそびえ立つ「あべのハルカス」は、近鉄グループが1300億円もの巨費を投じ、社運を懸けて建設した超高層複合ビル。地上300メートルと日本一の高さを誇る同ビルにはオフィスやホテルも入り、地下2階から地上14階までがハルカス近鉄本店の営業フロアだ。

そのハルカス本店が全面オープンしたのは14年春。「日本最大の売り場面積を誇る百貨店」と鳴り物入りで開業したが、期待したほどの客が集まらずに大苦戦。特に10〜20代の女性をターゲットにした新専門店ゾーンが大コケ。ハルカス本店の初年度売上高は1111億円と、当初目標の1450億円を大きく下回るありさまだった。

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