投資の際、倫理的・道徳的に適切かどうかを判断し、もし適切でない場合には投融資の撤退(ダイベストメント)をする動きが世界的に広がってきた。欧米の投資家の間では、石油や石炭などの化石燃料の採掘や燃焼にストップをかけるダイベストメントが顕著だ。化石燃料ダイベストメントを宣言した金融機関の運用資産総額は6兆ドルに上るともいわれている。ダイベストメント運動の先駆者であり、国際的な環境団体・350.org(さんびゃくごじゅう・ドット・オーアールジー)の共同創設者、ビル・マッキベン氏に聞いた。

Bill McKibben●気候変動問題を扱った『自然の終焉』(1990年)がベストセラーに。「350」は、大気中のCO2濃度を現在の400ppmから350ppm以下にする必要があることに由来。(撮影:尾形文繁)

──CO2(二酸化炭素)削減を進めるうえで企業や市民の役割が高まっています。

私たちの預金や年金積立金が、CO2を大量に排出する石炭火力発電事業への投融資に回っている。石炭火力の増大をストップさせるには、銀行などの金融機関に働きかける必要がある。特に日本の3メガバンクは、石炭火力発電への融資で世界の上位に顔をそろえており責任が重い。私たちは、金融機関が投融資方針を見直さないのであれば預金を引き揚げよう、と市民に呼びかけている。機関投資家や大都市にも、ダイベストメントを働きかけている。