「自治体戦略2040構想研究会」の清家篤座長(左)と野田聖子総務相(時事)

去る4月に総務省の研究会「自治体戦略2040構想研究会」が、『第一次報告』を野田聖子総務相に提出した。その後この研究会は各紙で取り上げられるとともに、社説で報告内容を紹介した新聞もあり関心を集めつつある。

2040年は、人口構成上の最後の山である団塊ジュニア世代が65歳を迎える時期である。高齢化の最後の大きな山をどう乗り切るのかが真剣に問われており、それを政府の有識者会議は正面から取り上げようとしている。筆者はこの研究会の委員として議論に参加してきたが、そこでの検討から、今後の日本社会のあるべき方向性について、いくらか考えがまとまってきたように思う。ここではその一端を、あくまでも研究会とは別の私見として議論してみたい。

第一次報告では、40年ごろにかけて迫りくるわが国の内政上の危機とその対応を考えるという視点から、三つの危機を抽出した。第一に、 若者を吸収しながら老いていく東京圏と支え手を失う地方圏。第二に、標準的な人生設計の消滅による雇用・教育の機能不全。第三に、 スポンジ化する都市と朽ち果てるインフラ、である。

日本全体として見ると、東京圏は若者を吸収すると同時に、医療・介護サービスの能力を超える多数の高齢者を抱えることになる。一方、その他の地域では人口減が深刻であり、空き家が点在する「スポンジ状」となる。

ここまではよく見られる未来像だ。この研究会は、地方自治体がどのように行政サービスを供給できるか考えようとするのである。