湖北省武漢市の黄鶴楼は、史跡の多い市内でも随一の観光地。今年6月から入場料を10元値下げした(読売新聞/アフロ)

「観光地の入場料は高すぎる。値下げせよ」。5月末に政府が出した通知が議論を呼んでいる。その一方で中国の主要な観光地はどこも慢性的に「人山人海」の大混雑だ。その背景には国内の観光資源の不足という構造問題がある。

中国国家発展改革委員会は5月29日、観光地の入場料の価格決定に関する通知を発表した。現在の観光地の入場料は高すぎると指摘したうえで、各地方政府に価格引き下げを要求。加えて著名な観光地の入場料収入だけに頼らない、幅広い旅行サービスの提供で地元の収入を増やすことを求めている。具体的には、宿泊施設や飲食の高度化、土産物や記念品の販売充実、近隣地域内で周遊が可能な観光資源の開発──といったことだ。

この通知を受けて、湖北省武漢市にある黄鶴楼は80元(1元は約17円)の入場料を6月1日から70元に引き下げ。山東省にある孔子関連の旧跡・孔廟、孔府、孔林も同日、150元の入場料を140元に引き下げた。値下げ幅は大きくないが、メジャーな観光地の入場料引き下げは画期的なことだ。

中国政府がこうした政策を打ち出す背景には、これまでの国内旅行の問題点があった。