2005年に誕生したアステラス製薬と第一三共。当初のもくろみほど成長できず、再編先駆けの看板も色あせつつある(撮影:尾形文繁)

「武田(薬品工業)のやることに興味はない。規模を追うM&Aをしない方針は変わらない」(アステラス製薬の安川健司社長)

「武田にはがんばってもらいたい」(第一三共の眞鍋淳社長)

これは4月に開かれた国内2位のアステラス製薬と3位の第一三共の決算説明会で、武田の買収をどう考えるかと聞かれた際の両社首脳の発言だ。熾烈な競争下にある中での危機感の乏しさに、「武田を応援している場合ではないだろう」と市場関係者からは厳しい批判も聞こえる。

「複眼経営」が失敗 伸び悩みが続く業績

アステラスは山之内製薬と藤沢薬品工業が、第一三共は第一製薬と三共が経営統合した会社だ。両社が誕生した2005年当時は、10年ごろに見込まれていた大型薬の相次ぐ特許切れや国内市場の成熟化に対する危機感があった。

そこで規模を拡大して地力をつけて米国など海外に本格的に打って出る、すでに再編で誕生していた欧米のメガファーマとグローバルで戦う体制の整備を急ぐ、というのが合併の狙いだった。

ただ十分な成果があったかといえば、答えは「ノー」だ。

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