私は40歳代前半で特殊部隊を辞め、撃てて、潜れて、平和ボケしない場所を求めてフィリピンのミンダナオ島に行った。島に着いた翌日、ダイビングショップでマネジャーに交渉をした。

「私は、日本から来た者で海軍特殊部隊にいました。客としてではなく潜らせてほしい。自分の技量を落とさないために潜りたい。その代わり、この土地に慣れたらガイドをするし、必要なら従業員のトレーニングもします」

「わかりました。今から私と潜りに行きましょう」

マネジャーは、当然こちらの技量をチェックしているに違いないが、何かしてみろというわけでもなく、1時間ほど一緒に潜った。

「明朝、9時にまた来てください。そこにいる女性が離島にある支店の責任者です。明日、彼女と一緒にその支店に行って、とりあえず2名の若いダイバーを鍛えてほしいのです」

支店の責任者だという女性は、マネジャーが現地語で事情を説明している間、小さく何度もうなずきながら私を見ていた。