イラスト:熊野友紀子

「夫婦ともども正社員。両親は遠くに住んでおり、減点要因のない“フルポイント”。まさか自分の子が待機児童になるとは……」

そう振り返るのは、東京都渋谷区で生後9カ月の長女を保育園に預けるべく“保活”を行った不動産会社勤務の木村仁美さん(仮名・40代)。産前は宅地建物取引主任者としてバリバリ働いており、退職という選択肢はなかった。「最初に不承諾通知を受け取ったとき、会社から1歳半までなら待つと言われ、娘ともう少し一緒にいられると、気持ちに余裕もあった」。

しかしその後も毎月、国の基準を満たした認可保育所に落ち続けた。国より基準が緩やかで東京都が認定している認証保育所も、キャンセル待ちで枠の空きが出ず全滅。「問い合わせが多すぎるため」と見学もさせてくれない認証保育所もあった。結局、育児休業期間の終了まで空きは出ず。職場にはすでに後任がおり、復帰できても異動は確実。保活の終盤には心も折れ、退職することを決めた。

行政と入園希望者のいたちごっこは続く

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