仮想通貨は現在2000種類近くが存在し、多くの人々を熱狂させている。仮想通貨はインチキだという警告が出ているにもかかわらず、これだけ多くの人々が夢中になるのはなぜか。

新たな貨幣を発明しようとする試みには長い歴史がある。マネーの革新とは刺激的なものだ。だが、高揚感が長続きすることはない。

貨幣というものは謎めいている。人間の価値すら貨幣で測られることが多い。が、貨幣とは単に世の中をぐるぐる回っている紙切れにすぎない。つまり、貨幣の価値とはこのような紙切れに対する信用に支えられているといっていい。これを信仰と呼ぶ人もいる。

マネーの革新には、わかりやすくて説得力のある革命的なストーリーがついて回る。1827年には無政府主義者のジョサイア・ウォレンが「シンシナティ・タイム・ストア」を開き、労働時間を通貨単位とする「レイバーノート」(労働貨幣)と引き換えに商品を販売していた。紙幣によく似たレイバーノートは労働の重要性を裏付ける証しと見られたが、「ストア」はわずか3年で閉店した。