共青団第一書記だった秦宜智は、2017年左遷された。今春の人事でも冷遇されている(写真は13年)(©Sipa USA/amanaimages)

前回、この連載で取り上げたテーマ(4月28日-5月5日合併号)は、習近平国家主席の胸の内にある「アンチ トウ小平」という要素についてだった。

社会主義システムの再評価──市場経済への疑問とも受け止められる──に関する言動に加え、集団指導体制の実質的な否定や挑戦的ともいえる対米関係は、かつてトウ小平が掲げた太い柱に、確実に転換をもたらしてきた。

一方で「改革の深化」を強調しながら、党のグリップを強め、党の権力をより習一点に集中させる作業に余念がなかった。

世界における中国経済の存在感が増すのとは裏腹に、国内では人々の生活が自由を失っていったのは、その象徴的な変化といえる。

今春の全国人民代表大会後に人々が好んで使うようになった「政治は左に、経済は右に」というフレーズには、「社会で進行する左傾化は、政治の世界に限った変化である」と考えたい人々の願望が込められている。