長崎市の繁華街・思案橋で向かい合う十八銀行(右)と親和銀行の支店。両行の近接支店は多く、統合が実現すれば廃店が相次ぐだろう

「酸素ボンベの管(取引銀行)は、大きな1本(経営統合後の1行)より、細くてもいいから2本(統合前の2行)あったほうがいい」

そう語るのは長崎市で卸売業を営む中小企業経営者だ。

長崎県には今、県内首位の十八銀行と同2位の親和銀行(ふくおかフィナンシャルグループ〈FG〉傘下)の経営統合計画がある。しかし、2016年2月の発表から2年経っても実現していない。17年4月の予定が2度延期され、現時点で時期のメドは立っていない。

統合すると県内の融資シェアが7割超に上り、競争を制限するおそれがあるとして公正取引委員会の了承を得られていないのだ。冒頭の経営者のように、2行から資金を借りていたのに1行に統合されると、いざというときに困るという懸念が長崎県内の中小企業の間で渦巻いている。

公取委は昨年12月、新潟県の第四銀行と北越銀行の統合を承認した。統合後のシェアが6割に達する地域もあったが、地元の企業や金融機関を調査し、統合行以外の金融機関からの借り入れは可能と判断したからだ。

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