小欄58回で平昌(ピョンチャン)オリンピックの話題をめぐる内容について、いささか懺悔(ざんげ)に及んだ。時事はほんとうに怖くて、野暮で魯鈍迂闊(ろどんうかつ)な歴史屋の能(よ)くするところではない、と観念したものである。とりわけ変化が激しい半島問題は、慎重にみきわめようと固く決意した。

そうはいっても、南北朝鮮のことを書かないわけにもいかない。半島は東アジアの焦点である。古来「東アジアの運命」を決してきたところであるし、今また、そうなってしまうかもしれない。

オリンピック以降、南北の半島政権は急接近した。立役者は文在寅(ムンジェイン)大統領である。すみやかに北朝鮮と首脳会談を実行したばかりか、米朝間の首脳会談の段取りまでつけてみせた。南北融和をめざす韓国の左派政権としては、望外の成果であろう。

米朝首脳会談に狼狽

こうした動きに煽(あお)られてか、米・中の二大国も腰を上げざるをえなくなった。それでも、トランプ大統領のほうはまだよい。北朝鮮の軟化は明らかに制裁措置の効果によるものだからである。さすがに会談を拒むシナリオはありえなくなったものの、これまで強力な制裁をよびかけ実施してきたアメリカとしては、なお選択肢は少なくない。米朝首脳会談にアメリカが前向きな姿勢を示したのを受け、にわかに慌て、ひそかに狼狽しているのが中国である。

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