製紙業界2位の日本製紙は5月16日、富士山麓にある静岡・富士工場(上写真)の敷地内で、新生産設備の竣工式を行った。再生紙専業の春日製紙工業との合弁で立ち上げた家庭紙の新ラインだ。既存の建屋に最新鋭設備を据え付け、「スコッティ」「クリネックス」ブランドのトイレットペーパーとキッチンペーパータオルを生産する。日本製紙にとって、新ライン立ち上げは実に11年ぶりだ。

家庭紙は国内需要が堅調な数少ない分野。製紙業界全体を見渡すと、各社は今、生き残りを懸け、もがいている。

「33%の中でシナジーを見つけることが、当社が生き残るための必要条件になる」。今年2月上旬、業界首位・王子ホールディングス(HD)と同6位の三菱製紙が開いた資本・業務提携共同会見の席上、三菱製紙の鈴木邦夫社長は自社の状況を、そう述べた。

王子HDと三菱製紙は2月、資本業務提携を決め会見。報道陣の質問に答える三菱製紙・鈴木社長(右)と王子の矢嶋進社長(撮影:尾形文繁)

三菱製紙は王子傘下へ 共同化でコスト削減

王子HDは競争当局の認可後、2019年末までに約100億円で三菱製紙の第三者割当増資などを引き受け、持ち株比率33%の関連会社とする。業務提携は、原材料・燃料の共同購入や木材チップ運搬船の共同運航、工場や物流拠点の相互活用など、効率化に向けた幅広い協力を検討する。

三菱製紙はかつて、業界2強の王子HD、日本製紙に対抗すべく、5位の北越コーポレーション(北越紀州製紙)や7位の中越パルプ工業との合併を画策(いずれも交渉は破談)したこともある企業。しかし、経営の柱である印刷・情報用紙の需要縮小に加え、東日本大震災で主力の青森・八戸工場が被災し、業績が低迷。財務体質も見劣りするため、生き残り策として王子HDに支援を仰いだ。

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