(Graphs / PIXTA)

超高齢化社会の到来で増加の一途をたどる日本の医療費。2025年以降には団塊世代すべてが75歳以上に達し、膨張の圧力が一段と強まる見通しだ。

年々国の財政への圧迫が強まっており、ひとごとではないはずだが、制度が複雑なこともあり、ちゃんと理解している人は少ない。まずは医療費の基本的仕組みや課題など、全体像を把握しておこう。

Q1. 日本は医療費を使いすぎているか

日本の医療費支出は多すぎるか──。これを判断するときに参考となるのは国際比較だろう。

OECD(経済協力開発機構)の推計によると、16年の日本の医療費は対GDP(国内総生産)比で10.9%。OECD35カ国平均の9%より高い水準だ。

ただ、日本の高齢化は突出している。医療費が多くかかる65歳以上の人口比率は27%と、OECD35カ国平均の17%を10ポイントも上回る(共に15年)。

先ほどの医療費の対GDP比では、トップから順に米国17.2%、スイス12.4%、ドイツ11.3%、フランスとスウェーデン11%と日本より高い国が5カ国ある。これらの国の65歳以上人口比率は15〜21%だ。また医療費の対GDP比が日本とほぼ同じカナダ、オランダ、ノルウェー、ベルギー、デンマーク、オーストリアの65歳以上人口比率は16〜19%にすぎない。高齢化を考慮すると、以上のような欧米諸国より日本の医療費支出はかなり少ない水準であり、使いすぎとはいえない。

Q2. 誰がどれだけ負担しているのか

日本の医療費がどんな財源で賄われているかを見たのが下図だ。

図を見ればわかるように、ここでは簡単に覚えられる数字がある。税金4、保険5、患者負担1という構成比だ。15年度の国民医療費(保険診療が対象)は、前年度比3.8%増の42.3兆円だったが、これをこの構成比でそれぞれの財源が賄っている。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP