ささき・とおる●2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

昨年12月ごろから、市場が織り込むFRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ見通しとドル円相場との相関が大きく崩れた。相関が崩れただけでなく、むしろ逆相関になり、米国の利上げ期待が高まるとドル安円高方向に動いたのである。

こうした現象は日米の10年金利差とドル円相場との間でも見られた。米国の10年国債金利が上昇して日米の金利差が拡大すると、むしろドル安円高が進んだ。通常とは逆の相関であり、なぜこのような動きになるのか、直感的にはわかりにくいかもしれない。だが、素直に考えてみると、ドルを買ってドル債を購入していた投資家が、金利上昇(債券価格は下落)を嫌気してドル債を売却しドルも売ったと考えれば、金利差拡大でドル安円高になるのは納得できる。

しかし、こうした動きも3月ごろまでで終わり、4月からはまた、元の相関、つまり金利差拡大でドル高円安が進むという関係が戻った。市場が織り込むFRBの利上げ見通しとドル円との正の相関関係も復活している。

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