去る4月27日、韓国と北朝鮮の南北首脳会談がおこなわれた。この日は明けても暮れても「南北」「板門店(パンムンジョム)」、その喧騒のまま日本は大型連休に入ったので、連休明けの小欄でも、どうやら取り上げざるをえないようである。

とにかくなりふりかまわぬ融和ムードで、南北の半島政権のねらいがよくわかる会談だった。年来、北朝鮮の核・ミサイルで鋭い対立が続き、危機が増大していただけに、もちろん歓迎の声は少なくない。なかでも政府当局者に、そうした発言が目立った。

すべてが本音の吐露ではない

しかし外交辞令ということばもある。誰がみても、すべてが本音の吐露とは思えない。額面どおり受けとめるのは、よほどおめでたい人である。「歴史的会談」ともてはやしたメディアは、どうもその類いに近い。

メディア、とくにテレビは、何とかの一つ覚え、のように決まったフレーズを連呼する習性がある。オリンピックなどの競技でいわく「悲願」、災害時の道路にいわく「寸断」。今回の「歴史的」も、そのひとつかもしれない。語彙が貧しいのだろうが、それを自覚しないほうがよほど問題である。