スーパーやコンビニ、ドラッグストアといった小売り、そしてファミリーレストランなどの外食。これらの業界は典型的な労働集約型産業で、社員に加え、多くのパートタイマーやアルバイトの労働によって成り立っている。しかし、少子高齢化などで働き手の確保が難しくなっており、人手不足は深刻な問題だ。

東京都を地盤とする食品スーパーのサミットでは、新規出店時にパートタイマーが必要人数の6割程度しか集まらず、時給の高い派遣社員で補ったケースがあった。外食も状況は同じ。「パートタイマー不足で閉店に追い込まれた店舗もある。人手が足りない店舗が一つ出ると、周辺の店舗に応援を頼むことになり、全体が足りない事態になる」(ロイヤルホストなどを運営するロイヤルホールディングスの菊地唯夫会長)。

先端タグ、レジなし店 省力化に知恵絞る

パートタイマーだけではない。しゃぶしゃぶレストランを展開する木曽路は昨年、新卒社員を80人採用する計画だったが、実際に採用できたのは半分の40人。「会社説明会に来てくれる学生の数が以前よりも減っている」と、同社の大橋浩取締役はうなだれる。

こうした構造的な人手不足問題に直面し、小売り・外食業界はITを駆使した新店舗や新技術で危機を克服しようとしている。

ドラッグストアの業界団体である日本チェーンドラッグストア協会は、経済産業省と共同で「RFID(無線タグ)」の研究を始めた。2025年までに全取扱商品に実装する計画だ。無線タグを使えば商品在庫がいつ、どこに、どれだけあるのかを効率的に把握でき、各店舗における在庫管理などの作業負担を大幅に減らせる。