新説として注目される「労働分配率の低下とスーパースター企業の興隆」論文

賃金がなかなか上がらない。これは日本に限らず先進国に共通する悩みで、経済学者の間ではその要因をめぐる議論が盛んに行われている。こうした中で注目を集めたのが、2017年5月に公表された「労働分配率の低下とスーパースター企業の興隆」と題された論文だ。

論文を執筆したのは米マサチューセッツ工科大学のデヴィッド・オーター教授らでグーグル、フェイスブック、アップル、アマゾン、ウーバー・テクノロジーズ、エアビーアンドビー、ウォルマート、フェデックスなどの「スーパースター企業」の隆盛が労働分配率の低下を引き起こしたと主張している。

労働分配率とは、企業活動で生み出された価値のうち、賃金など労働者に分配された額の割合を表す。その低下は賃金の伸びを押し下げる3大要因の1つだ。