きうち・たかひで●1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

株式市場ではボラティリティ(価格変動率)の上昇が投資テーマに浮上してきている。米国で株式市場のボラティリティを測る代表的な指数はVIX(別称:恐怖指数)である。これは、米国のS&P500種株価指数のオプション取引の価格を基に、今後30日間で市場価格がどの程度変化するかという、予想価格変動率を指数化したものだ。

VIXは近年低下傾向にあり、2017年半ば以降は10程度の歴史的低水準を維持してきた。その間は、ボラティリティの動きと逆相関で、その低下によって高い収益率を得られる商品が注目を集めた。それがVIX連動型(インバース)ETN(指標連動証券)などである。VIXが10〜15といった低い水準にあると、その価格は上昇を続け、投資家はかなり高い収益率を上げることができた。

ところが今年2月に株価が急落すると、VIXの水準は一時40近くと、リーマンショック時の半分程度まで一気に上昇した。それでも、ボラティリティの上昇は一時的、との見方をする投資家は少なくなかった。実際、急上昇したVIXは、比較的短期間のうちに落ち着きを取り戻していった。