遣唐使として中国に渡った若かりし日の僧侶・空海。その目前で巻き起こる謎の連続殺人──夢枕獏(ゆめまくらばく)氏の小説を原作として、中国人監督の下で空海役を務めた若手の染谷将太氏をはじめ、日中の人気俳優が共演した映画『空海ーKU-KAIー』。昨年12月に中国で上映され、90億円を超える興行収入を上げた。

この映画は、日本のKADOKAWAと、中国の映画会社2社(新麗伝媒、英皇電影)がそれぞれ出資した日中の共同製作によって生まれた。KADOKAWAによると、中国中央部の湖北省に東京ドーム8個分にも相当する唐の都・長安のセットを建設し、半年近くをかけて撮影されたという。

『空海』では、日本の若手俳優が全編中国語で主演を務めた(『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』(C)2017 New Classic Media,Kadokawa Corporation,Emperor Motion Pictures, Shengkai Film 2018年2月24日(土)全国東宝系公開 配給:東宝・KADOKAWA )

中国で映画が普及 市場規模は北米に迫る

今、日本の映画会社が海外映画市場に向かう動きが本格化している。足元を見るかぎり、国内映画市場は好調だ。2016年には『君の名は。』などの大ヒットで過去最高の2355億円、昨17年も歴代2位の興収を記録。しかし、今後を見据えれば人口減少や高齢化により、国内市場は縮小が避けられない。ほかの産業と同様に映画会社にとっても、成長のためには海外展開が必須になっている。

そうした中、各社が熱い視線を送るのが成長著しい中国だ。経済成長で国民の平均所得が増え、中国では映画が手軽な娯楽として人気化。映画館も急増し、市場規模(全興行収入)がすさまじい勢いで伸び続けている。すでに昨17年の市場規模は9500億円超で日本の約4倍。早晩、北米を抜いて世界最大の映画市場になるのは確実だ。

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