人手不足対策として、営業時間の短縮に踏み切った企業もある。単に短くするのではなく、業務効率化の追求や付加価値の高い業務へのシフトなどで収益性を維持する工夫が随処に見られる。

外食のしゃぶしゃぶチェーン、木曽路は昨年3月、110店以上ある店舗のほぼすべてで、閉店時間を22時30分から22時に早めた。同時に、閉店後の作業効率改善にも着手。従来は閉店後にスタッフが2時間ほど残って作業する傾向にあったが、食材の仕込みなど一部の作業を日中に回すことで、現在は閉店から30分以内に退勤できるようになった。

閉店を30分早めた(上)。着物姿で注文用端末とインカムを使うスタッフ

営業時間中も店内のIT化による業務効率化を推し進めた。まず、注文内容を端末に入力する「ハンディターミナル」を導入。これまでは注文内容を伝票に書き、さらに厨房で機械に入力していたが、即時に注文が厨房に通るようになった。

また、スタッフ間の連絡を無線でやり取りする「インカム」も取り入れた。「予約のお客様がご来店されました」「ご飯を持ってきてください」といったスタッフ間のやり取りが、スムーズにできるようになった。

着物姿で接客する女性スタッフの間には、「IT機器を装備すると和装のイメージが壊れるのでは」との不安が当初はあった。だが、顧客に違和感なく受け入れられたうえに、「客の見送りに時間を割けるようになるなど、サービスの質が向上した」(木曽路の大橋浩取締役)。南砂店(東京都江東区)の女性スタッフは「インカムはかなり便利。使っていなかった時代が信じられないくらい」と話す。

木曽路は営業時間短縮による売り上げの減少が年間で1億円未満にとどまる一方、全労働時間の5〜6%を削減できたため、利益率の改善につながったという。

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