トランプ米大統領の怒り、プーチン・ロシア大統領の歴史修正主義、習近平・中国国家主席の野望……これらによって時代が形成される中、戦後世界を支えてきた国際秩序は混乱し、危険とさえいえる状況になってきた。なぜ、こんなことになったのか。

第2次世界大戦後の世界は、最近まで寛容かつ自由な国際協調の時代だった。その基礎が築かれたのは1941年、フランクリン・ルーズベルト米大統領とチャーチル英首相が、大西洋憲章を起草したときだ。二人はナチス・ドイツの打倒にとどまらず、平和と民主主義の未来に向けた土台を本気で作ろうとしていた。

その成果は、両人の想像を超えるものだったに違いない。大西洋憲章に続いて、国際連合やブレトンウッズ体制、国際貿易システム、世界人権宣言が生まれたからだ。