中国の一部店舗でアリペイでの支払いを停止したウォルマート。「商業的判断による措置」と説明する(ロイター/アフロ)

世界的に先端レベルにあるとされる中国のモバイル決済で、2大勢力のアリペイ(支付宝)とウィーチャットペイ(微信支付)の「縄張り争い」が激化してきた。二者択一を迫られかねない加盟店や消費者からは利便性の低下を危惧する声も聞こえ始めた。

今年3月、中国のウォルマートの一部店舗がアリペイでの支払いを停止すると発表、波紋を呼んだ。現時点では四川や雲南、貴州など西南地区各省の店舗に限った措置だが、中国ではスマートフォン(スマホ)ベースの決済アプリが広く普及しており、中でもアリペイは金額ベースで半分以上のシェアを持つ。そのアリペイによる支払いを大手スーパーが拒絶する行動は驚きをもって受け止められた。

ウォルマート側は「商業的判断による措置」としか発表していないが、アリペイを擁するアリババグループとウィーチャットペイを擁するテンセントの激しい競争関係によるものとの見方が一般的だ。

中国のウォルマートはテンセントとの直接の資本関係はないが、同じくアリババグループとライバル関係にある有力ショッピングサイトの京東(JD.COM)に出資しており、テンセントはその京東の大株主という関係にある。従来テンセント寄りの企業と見られており、「テンセントの意向を受け、とりあえず一部でアリペイを使用停止にし、世論の反応を見たのではないか」との見方が出ている。

また中国の流通大手の一角を占める「歩歩高(ベターライフ)」も先頃、店舗の一部でアリペイの使用を停止した。同社は「一部店舗で試験的に導入していた措置を終了しただけ」としているが、同社もかねてテンセント寄りの企業と目されており、「反アリペイ」的措置の一環とみられる。