週刊東洋経済 2018年5/12号
書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

AI時代の人間に必要な力が見えてきた

AI(人工知能)が人間の能力を超える──。第3次AIブームが到来する中、SF小説のような話が盛んに語られている。

だが、こうした見方に染まるとAIを正しく理解できなくなる。「日本ではAIを擬人化する傾向が強いが、今のAIは人間にとってのツール」(理化学研究所・革新知能統合研究センターの中川裕志氏)でしかないからだ。AIは膨大な記憶力と計算能力を持つコンピュータであり、「『AIが人間の能力をいつ超えるか』という問いを立てること自体が無意味だ」(AIの産業活用を支援するメタデータの野村直之社長)。

AI研究は、人間の脳そのものを模倣した機械を作る立場(強いAI)と、人間が行う作業の一部を機械に代替させる立場(弱いAI)の二つに分かれる。

今のところ研究のほとんどが後者で、知識やルールを学ばせて、特定の用途でAIに力を発揮させる。さまざまな分野で実用化が進んでいるのは、このアプローチだ。

2000年代からの第4次産業革命では、膨大なデータがリアルタイムで蓄積されるようになった。この蓄積を利用し、人間の定めた枠組みに従ってAIが自ら情報を抽出・整理し学習する「ディープラーニング(深層学習)」が発展した。これが目下の第3次ブームのきっかけだ。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP