草津温泉名物の「湯畑」。徐々に活気は戻っているが、火山活動への警戒も続いている(kazukiatuko / PIXTA)

「草津よいとこ、いちどはおいで(アードッコイショ)」。日本人の多くが知っているこの唄「草津節」の舞台が、群馬県草津町の草津温泉である。

草津町は群馬県の北西部に位置する面積約50平方キロメートル、人口6485人(2018年4月1日)の小さな街。町内にある草津白根山の本白根山が今年1月に噴火し、死者1名、負傷者11名を出す惨事となったことは記憶に新しい。

この街は江戸時代から温泉場として知られていた。江戸時代に作成された温泉の番付「諸国温泉功能鑑」では、最高位である東の大関に位置づけられた。温泉自然湧出量は毎分3万2300リットル以上で日本一といわれる。西の大分・別府と並んで日本を代表する温泉地といってよい。

かつては温泉人気で観光客も年々増えていった。1970年代に年間200万人台前半だった観光客は、86年には250万人を超え、94年には300万人の大台を超えた。その後300万人前後を維持するが、00年代後半には人気に陰りが見られ、11年には260万人台にまで観光客は減少した。

低迷を脱する契機となったのが、12年に公開された映画『テルマエ・ロマエ』である。古代ローマ帝国時代の浴場設計技師ルシウスが失職し、失意の中で公衆浴場に出掛け、そこで日本へタイムスリップして不思議な体験をするという内容。その映画に登場する温泉地が草津温泉なのである。