イラスト:関 祐子

「論理を組み立て表現する力が学生から失われつつあるのではないか、との危惧が教育現場に広がっている」──。こうした背景から2011年に調査が行われたのは、国語ではなく数学についてだった(日本数学会の「大学生数学基本調査」)。

『数学的思考法』(講談社現代新書)や『新体系・高校数学の教科書(上・下)』(講談社ブルーバックス)など、多くの著書がある桜美林大学の芳沢光雄教授は、「数学=計算というのは迷信。数学とは全員が納得できる論理の積み重ねだ。だからこそ、言葉の定義をきちんと理解しないといけない」と話す。

たとえば、小学生が比や割合の概念を十分に理解していないと間違えるのが下の問1。2012年度の「全国学力・学習状況調査」に出題された。小学6年生の3人に2人が間違えた(正解率は34.3%)。芳沢氏は、「『aのbに対する割合=a÷b』というように解き方だけを暗記している子どもは、こうした問題だと、『元にする量』と『比べられる量』を混乱してしまう」と解説する。

冒頭の大学生数学基本調査で出題されたのが問2。難易度は中学2年生レベルで、数学の言葉を用いて論理的に説明できるかを問うもの。