自発的な対米従属を続ける、世界に類のない不思議の国・日本。この呪縛を解くカギは国体にあるという。

国体論 菊と星条旗 (集英社新書)
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今の日本を説明しうる最有力の概念が国体だ

──なぜ今、国体論なのですか。

今の日本の行き詰まった状況を首尾一貫して説明しうる、最有力の概念が国体なのだと考えている。

失われた20年あるいは30年といわれるように、日本が長い停滞から抜け出せないのは、なぜなのか。「国体化」した対米従属が社会をむしばんでいるからだ。世界に類を見ない歪(いびつ)な形で、つまりその支配の事実を否認しつつ対米従属をしていることが、社会を腐らせた。

──米国に妄想を抱きつつですか。

米国は日本を愛しているとの妄想に戦後日本の体制は依存している。それは、言葉遣いに端的に表れる。代表的なのがトモダチ作戦や思いやり予算。情緒的な言葉遣いが日米関係の公的な場でも多用される。日米関係は特別であり、打算的な関係で仲よくしているのではなく、真の友情に基づいているとのイメージをまき散らす。

──「米国崇拝」と「天皇崇敬」に相似性があると。

「戦前の国体」における天皇と臣民の関係に、日米関係が似てきた。大日本帝国においては、神の子孫である天皇が国民を赤子として慈しみ、愛してくれている、何とありがたいことか、だから天皇陛下のために死ぬのは当然であり、日本人の幸福だ、という「世界観」が国民に強制されていた。

──それが「戦前の国体=天皇」から「戦後の国体=米国」へ移行したのですか。