トランプ大統領はアマゾンなど巨大IT企業批判を強めている(AFP/アフロ)

トランプ米大統領の攻撃の矛先が3月末、急に変わった。それまでは反グローバル化の保護貿易政策を加速するために、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を開始するなど、米国の貿易赤字の原因となっている中国などへの批判を強めていた。だが3月末以降はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)をはじめとする巨大IT企業を批判の対象とした。

「アマゾンは連邦・州政府にほとんど税金を払わず、われわれの郵便システムを配達員代わりにして米国に巨額な損失を与えている。そして何千という小売店が閉鎖を余儀なくされている!」

トランプ大統領が3月29日にツイッターにそう投稿すると、アマゾンの株価は急落。同社に対する課税措置が強化されるとの思惑から、4営業日で約12%下落した。時価総額にして約888億ドル(約9.4兆円)の減少だ。

中間選挙に向けて標的にされるリスク

目下、トランプ大統領最大の関心事は、今秋に行われる米国中間選挙だ。同選挙で共和党が敗北すれば、トランプ大統領の影響力も低下を避けられないだけに、是が非でも勝ちたいところ。

その点、巨大IT企業たたきは、トランプ大統領の岩盤支持層=米国中西部などの「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」の有権者にウケる。廃れた工業地帯の労働者からすれば、わが世の春を謳歌するスマートな巨大IT企業は目の敵の存在だからだ。鉄鋼・アルミや中国製品への貿易制裁を決めたとき、ラストベルトの人々は労使を挙げて拍手喝采した。その再来を狙う、トランプ大統領の思惑が透けて見える。