大東建託のアパートの建築現場。IoT活用など先進的な取り組みには積極的だが…

愛知県北西部に位置する人口数万人のある都市で、稲山フミさん(仮名)は夫の死後の2000年代半ば、市街地外れの土地を相続した。土地を遊ばせておくのももったいないと思っていたところに、レオパレス21の営業員が訪ねてきた。「空室が出ないよう入居者募集もしっかりやります。管理もすべてお任せください。30年間一括保証で、オーナーである稲山さんは何もしなくとも大丈夫です」。その言葉を信じ、銀行から1億円近くを借り、1棟10戸のアパートを建てた。

負債は3000万円以上 売却以外になすすべなし

しかし、営業員のうたい文句とは裏腹に、建てた当初から10戸ある部屋はいつも5戸程度が空室。満室になることはなかったという。これまでもたびたび家賃減額の要求があったが、そのたびに仕方ないかとのんできた。そして10年が経過したある日、家賃を半分以下に減額したいと要請された。減額幅の大きさに驚き、要求を突っぱねたところ、30年間保証されるはずの借り上げ契約は一方的に解約されてしまった。

ローンは半分以上残っている。困り果てた稲山さんは税理士に相談したが、時すでに遅し。傷口を小さくするため、とりあえずアパートを建てた土地とは別の田畑2枚を約2000万円で売却して借金返済の一部に回した。だが、残債は3000万円以上ある。現在は賃貸管理だけを別の業者に委託し、できるだけ高くアパートを買ってくれる人を見つけるしかない状況だ。

国土交通省と消費者庁はこの3月、多発するサブリースにかかわるトラブルに重い腰を上げ、契約の注意喚起に乗り出した。いま表面化している問題は、「かぼちゃの馬車」のような物件のサラリーマン大家が対象。彼らは声を上げ、賃料減額の窮状を訴えている。

家賃保証停止 ある日、突然の通告

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP