「SLレトロみなかみ」で乗車したスハフ32は1938年製造。エアコンはもちろんない

「青春18きっぷ」が安いことに異論を唱える人はいないだろう。しかし、各駅停車に乗り続けることに苦痛を感じる人は少なくないはずだ。そこで3月、「乗らされている感のない」ことをテーマにした週末青春18きっぷの旅に妻と出た。目指すは直江津と鶴岡である。

東京から高崎へは780円を払い2階建てのグリーン車で出発だ。

戦前の客車が現役で活躍

高崎から水上までは「SLレトロみなかみ」。先頭客車は1938年製造のスハフ32。床は黒光りした木材、窓枠はニス塗りが黒く光り、日よけはよろい戸。網棚は文字どおり網張りだ。

全国にSL多しといえども、牽引される客車のほとんどは70年代以降に新造された車両。それだけに貴重な存在だ。しかも先頭の客車は窓が開いているので、蒸気機関車の汽笛や走行音をはっきりと感じることができる。

寂れた水上温泉からはバスで土合駅へ向かう。谷川岳のふもとにあるこの駅のホームは地中奥深くのトンネル内にあり、462段の階段を下らないとたどり着けない。地中に吸い込まれそうな階段を前にして妻はあぜんとしている。