アンダークラスの増加を食い止めるためには何をすればいいのか。『新・日本の階級社会』(講談社現代新書)の著者である橋本健二・早稲田大学教授に聞いた。

はしもと・けんじ●1959年石川生まれ。88年東京大学大学院博士課程単位取得退学。静岡大学、武蔵大学を経て、2013年から現職。(撮影:風間仁一郎)

──日本は階級社会であると指摘し、注目を集めています。

資本主義社会には必ず階級が存在する。だが「一億総中流」といわれていた時代は目立たなかった。最大の原因は高度成長だ。資本家階級と労働者階級にさほど大きな格差はなく、労働者階級でも大部分の人は安定雇用の下で、結婚して子どもを育て、基本的には同じ耐久消費財を持つなど、共通の消費スタイルや文化を持っていた。

ところがバブルの終わり頃から、新卒でフリーターになってそのまま非正規であり続ける人々が生まれ、その規模が大きくなってきた。同時に階級間の格差も拡大し、階級社会としての姿がそうとう明確になってきた。

──アンダークラスの登場は日本に限った話なのですか。

先進国でほぼ共通に見られる現象といっていい。アンダークラスはもともと英米で使われ始めた言葉で、大都市部で生活する少数民族の貧困層を指していた。

ところが米国でも非正規労働者層が拡大したり、あるいは解雇されやすくなったりして、マジョリティの白人男性が貧困に陥っている。つまりアンダークラスは特殊な人々を指すのではなく、労働者階級の最下層部分であるという見解が強まっていて、私もそういう言い方をしている。

──アンダークラスの増加に歯止めをかけられますか。

割と社会的合意を得やすく、即効性を期待できる施策が2つある。