3月24日、中国の劉鶴副首相はムニューシン米財務長官と電話会談し、貿易制裁に対抗する意向を示した(AP/アフロ)

3月22日、トランプ米大統領は中国の政府・企業による知的財産権の侵害により米企業に損害が出ているとして、中国製品を対象に最大600億ドル相当の輸入品に25%の関税を課すと宣言し、世界に衝撃を与えた。中国政府も対抗措置を検討中であることを直ちに表明し、全面的な貿易戦争に突入するのではないかという懸念が広がっている。

この制裁関税は、不公正な貿易慣行を認定した国に対して、米国が一方的な制裁措置を発動できる米通商法301条に基づく。トランプ政権はこのほか通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウムの輸入制限にも踏み切っているが、本稿では知的財産権侵害の問題について詳しく考えてみたい。

トランプ政権は、中国政府による知的財産権侵害の手口について、次の四つを挙げて批判している。(1)外資規制により米企業に技術移転を強要している、(2)技術移転契約で米企業に対し差別的な扱いを行っている、(3)中国企業を通じて先端技術を持つ米国企業を買収している、(4)人民解放軍などが米国企業にサイバー攻撃を行っている。

確かに、最後のサイバー攻撃が事実だとしたら、米政府が抗議を行うのはもっともだろう。しかしそれ以外の点について、米政府の主張にはたして理はあるだろうか。

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