政府が打ち出した幼児教育や高等教育の無償化は、教育格差の解消にどれだけの効果があるのか。著書『「学力」の経済学』などで幼児教育の重要性を指摘している中室牧子・慶応義塾大学准教授に聞いた。

1975年奈良県生まれ。98年慶応義塾大学卒業。2013年から現職。専門は教育経済学。著書に『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。(撮影:尾形文繁)

──幼児教育の無償化をどう評価しますか。

この政策はちょっと意味がわからない。私は幼児教育が大事だと言っているが、タダにしろと言ったことはない。日本では5歳児の入園率は95%を超えているため、世帯が払っているものを国が肩代わりしても社会的な追加リターンはゼロに近い。

──政府は大学など高等教育の無償化に向けても動いています。

これも格差の解消にはまったく意味がないと思っている。全部無償化すると所得が高くて意欲がある人もカバーされる。そこにおカネを突っ込む余裕は、日本にはないのではないか。