3月27日に行われた参院予算委員会の証人喚問で答弁する佐川宣寿氏(時事)

幕引きとなるか、疑惑追及第2幕の幕開けか。佐川宣寿・前財務省理財局長の国会での証人喚問が3月27日に行われた。森友学園問題で新たに財務省の決裁公文書改ざんが明らかになり、衆参両院の予算委員会で計4時間以上、喚問を受けたが、「刑事訴追のおそれがあり、答えられない」という発言を連発したため、疑惑解明は不発に終わった。

森友問題の疑問点は数多いが、大きな謎は公文書改ざんの目的・動機、国有地の貸し付けや売却の実態・真実の2点だろう。安倍晋三首相は、昭恵夫人が森友側と接触していたという事実を抱える。逆風に見舞われた首相が、改ざんを「財務省問題」という形にして決着させる「幕引きのシナリオ」を想定したのは疑いない。

佐川氏は喚問で、改ざんの目的や経緯については徹底して証言拒否しながら、首相、菅義偉官房長官、麻生太郎財務相など、政権側からの指示の有無をただす問いには、「ございません」と即答した。幕引きを企図する政権側のシナリオに沿う証言と見た人は多かった。

森友問題では、調査と議論に1年以上も費やし、出てきたのは財務省の文書改ざんだけという点を見て、「国政にとって大した問題ではない。政治は直面する国難克服に注力を」という声も大きい。だが、国有地取引疑惑だけでなく、財務省の文書改ざんは歴史的事実の記録の書き換えで、国会と国民を欺き、民主主義の根幹を破壊する重大な犯罪行為と重く受け止める見方が有力だ。佐川喚問は間違いなく第2幕の幕開けである。