黒田東彦総裁の2期目はどの道に進んでもいばらの道が待っている。

2期目の課題として最大のものは前記事で示したように大規模緩和政策による副作用だが、今後を考えると、より根本的な課題に直面することになる。

最も可能性の高い懸念は、「2%の物価上昇率目標を達成する前に世界経済が後退に向かい、日本銀行が追加緩和を迫られたとき、その策がない」(東短リサーチの加藤出社長)ということだ。

世界経済はこれまで米欧の中央銀行による大規模な金融緩和を背景に順調な拡大を続けてきた。しかし、米欧とも緩和縮小が始まっている。IMF(国際通貨基金)の見通しによれば、GDP(国内総生産)成長率は米国が2018年、ユーロ圏が17年をピークに、右肩下がりになることが予想されている。中国も政府目標としての18年成長率は17年実績より鈍化することになっている。外需を中心に景気拡大を続けている日本にとって、海外景気失速の影響は小さくない。

日本国内の需要を考えても、20年の東京五輪に向けての特需の勢いは徐々に弱まりつつある。19年10月には消費増税も控えている。「18年いっぱいは問題ないかと思うが、19年にかけて景気の減速が予想される」(富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェロー)。